直下型地震の起こりうる東京に、オリンピックは招致できるか?~補正予算反対討論~

12/20の最終本会議で、平成24年度第10回補正予算への反対討論を行いました。

会派内でもオリンピックへの見解が分かれたため、個人討論としました。

以下その内容です。

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本補正予算では前向きに評価できる点もありながら、反対せざるを得ないことは残念であると、まず初めに申し述べます。

評価できる1点目は、非常勤嘱託職員のサブリーダー制導入のための報酬予算です。今回は施設管理業務職員が対象ですが、私は従前から非常勤嘱託職員全体の身分保障と報酬の見直し等の待遇改善を求めてきました。今後の拡大を期待し評価します。

2点目は学童保育の障がい児受け入れに伴う非常勤嘱託職員報酬です。これは実質的に、学童保育での障がい児定員枠が無くなったことを表します。小金井の学童保育は、要件を満たし、希望すればだれでも入所できます。この制度が障がいの有無にかかわらず、すべての子どもに適用されるのは、子どもにとって当然の権利です。今後も必要な職員配置と適正な予算執行を求めます。

このように議会での指摘を受けての制度改善に伴う予算については前向きに評価いたしますが、以下の理由により全体としては反対の立場をとらざるを得ません。

まず1点目は都道134号線の整備に要する経費です。これは都市計画道路事業のうちの土地収用に必要な認可を得るための、騒音等調査委託料です。土地収容が前提の予算であれば、現在進行中の当該住民4軒との交渉にも悪影響を及ぼす懸念もあり、これは進めるべきではありません。

そして2点目、今回反対する最大の理由は、「スポーツ祭2013に要する経費」の7つの事業のうち、7番目の「オリンピアン・パラリンピアンふれあいスポーツ教室委託事業」が、2020年のオリンピック招致の機運を醸成する目的となっていたことです。

国体開催のための予算であるなら、今回は賛成しました。しかし、首都直下型地震の発生確率が高まったといわれ、東京都でもそれに沿って防災計画の見直しが図られている今、どのような根拠で世界中からやってくる人々と国民の命を守れるといえるのでしょう。M6.7-M7.2の地震が首都圏で起こる確率を「今後30年で98%、4年以内で70%」と、2011年9月に東京大学地震研究所談話会が試算し、発表しました。その後、2012年2月上旬の再計算の結果、「4年以内50%以下、30年以内83%」と算出されています。

先日は笹子トンネルで天井板落下による痛ましい事故が起こりました。首都高速等でもさっそく調査が始まっていますが、今現在、都内でもたびたび起こる地震によって、今後も道路やトンネル等の劣化が進行することは視野に入れ、この点でも国や都は早急に対策をとる必要があります。東京都は緊急輸送道路沿いの建物の耐震化に補助金を付けましたが、リスクを認識しているからこそ対策をとっているのです。このようなハイリスクな状況下にあっては、啓発も含めた防災対策や情報提供を充実させるべきであり、安全性が見えないままのオリンピック招致は、決して行うべきではありません。ぜひとも市長におかれましては、この7番目の事業内容の見直しと変更を行うように指摘して、私の反対討論といたします。