この時代、本当に 「平和」って言えますか?~こがねっとレポート133号から~

5/1は「令和」始りの日。5/3は憲法記念日。そして初の10連休と続きましたが、なにやら風薫る5月は平和について考える事が多かった気がします。

●こがねっとレポートも「平和特集」としました。講読ご希望の方は、小金井ネットまでお声かけください。

この夏の参議院選挙では、憲法改正が争点となると言われています。改憲には国民投票が必用だから大丈夫、という人もいますが、そうなれば莫大な資金力をもつ方がメディアを使い「自衛隊を憲法9条に位置付けよう」など、キャンペーンを張ることは目に見えています。

憲法9条3項に自衛隊の存在を明記したい安倍首相。もしそうなったなら第2項の「戦力の不保持」と「交戦権の放棄」は空文化し※、自衛隊を憲法上の機関として海外で交戦することも、戦力としての兵器増強も可能となります。

※「後法優先の原則」・・・法律同士が矛盾する場合は後に作られた法が先に作られた法に優先する。

憲法は、主権者である国民が権力者を縛る最高法規です。

しかし2015年から国会では、秘密保護法、共謀罪や安保法制などが次々と強行採決され、憲法学者や弁護士からも、この強引な進め方は『憲法違反』と強く批判されました。強行採決とは、まさに数の暴力行使です。権力を持つ側が、十分な議論なく少数意見を封殺する。少数意見の尊重が無くては、民主主義とは言えません。

●再び「戦前」にしないために

民主主義は、力の弱い人でも人権を尊重されること。いやなことは嫌と言えることです。

南スーダンPKOの日報隠ぺいや、自衛隊イラク派遣部隊の日報「不存在」問題は今だ未解明。全貌解明されていません。

イラクに派遣された陸上自衛隊5600人のうち、2015年6月までに自殺した隊員は21人にのぼるそうです。

活動期間もPKOの半分の3カ月でしたが、彼らは在職中に自らの命を絶っています。

防衛省は自殺者の階級、任務、原因などの一切を「プライバシーの保護」を理由に公表していません。当時の小泉首相は、「このイラクに対して行った様々な措置、正しかったと思っています」(2006年6月20日)と述べ、イラク派遣を成功と位置づけています。

80代や90代の戦中派世代からは、今は「戦争が始まる前の時代の空気に似ている」と言われます。見つかったイラク派遣日報の内容は公表されていませんが、「非戦闘地」での「後方支援」であっても、自殺者を出すほどの過酷な現実だったことは確かです。集団的自衛権行使が可能となり、自衛隊が憲法に明記されれば、更に「あの時代」に近づく恐れが強くなるのです。