★NPO設立総会に出席して~行政主導で進めないで~

8/3に発起人集会があり、10日には設立総会の運びとなった「仮称:NPO法人市民の図書館・公民館こがねい」は、55人の正会員と24人の理事が決まり、4時間の審議を経て規約、活動計画・予算ともに承認されました。

設立趣意書には、「私たちは、図書館・公民館をこよなく愛し、その大切さや発展の可能性に思いをはせる人々が集い、『地域に根差した親しまれる図書館・公民館』を目指して、図書館貫井北町分室・公民館貫井北町分館を市民協働により運営するため、(仮称)NPO法人市民の図書館・公民館こがねいを設立する。」とあります。

一方規約の(目的)には、「この法人は『地域に根差した親しまれる図書館・公民館』を目指して、市民協働により図書館・公民館を運営し、広く市民に対して図書館資料の提供や講座の開催等を通じて、生涯学習、学術、文化、芸術の振興などに寄与することを目的とする」とあります。

会員から、この規約の目的には、「貫井北町センター内の』市民協働により図書館・公民館を運営しと、明確に『貫井北町センター内の』の一文を載せるべきだとの提案が上がりました。このままでは、やがては他の図書館分室や本館、公民館本館、分館などの運営も視野に入れているとも読み取れてしまう、との理由からです。確かにもっともです。

賛成の声も上がり、賛否を挙手でとると、賛成は22人。しかしその場にいる人数は何度数えなおしても44人。議長採決となりました。

そこで意見が出ました。「これほど拮抗するならきちんと反対の数もとるべきだ。自分はどちらでも良かったので保留のつもりだった。しかしここまで賛成が多いなら、自分も賛成したい。全体の人数がわからないうちに採決をとるのはおかしい。」

行政側の対応は「議会でも反対は取らない。賛成の数だけです。これがルールでお願いしたい。」しかしここは議会ではなく、市民の自由闊達な意見をもとに合意形成する『市民活動』の場です。このままでは行政と市民の対立になりかねない、と危惧しましたが、その後の展開は、小金井の市民力、さすがだなぁとうれしくなりました。

小金井の社会教育の礎を作られた副理事長からは「確かに『貫井北町センター内の』の一文は目的に入ってしかるべき。しかしそれを発起人集会で見過ごしたのも私たち会員だよね。」この柔軟かつ的確な指摘で流れは変わり、この一文は趣意書で確認できることで、合意を得られました。

市民活動では何より参加者の『合意』と『納得』とが必要です。この日集まった正会員の方々は、普段の市民活動ではあまりお見かけしない方々も多くおられました。これほど多くの関心が集まったこと、とてもうれしく頼もしいです。理事長はじめ、理事を引き受けて下さった方々の心意気には、頭が下がります。

総会では活発で説得力のある意見が多く、聞きごたえがありました。時間はかかるけど、その場にいるみんなが意見が言えて、違った意見も尊重し調整していく。これが社会教育の醍醐味です。

4月の開館に合わせた非常にタイトなスケジュールが気がかりです。このまま行政主導でスケジュールが進めば、生まれたばかりのNPOの役員間でも、充分な合意形成がないまま運営業務を担うことになってしまいます。

せっかくの市民の力が活かされるためには、まだ必要な取り組みはあるはずです。今後も市民が主体で動けるように、注目し応援していきたいと思っています。