12/8市長選挙~なぜ小金井・生活者ネットは現職市長の西岡真一郎さんを選択したのか~
11月22日から発送のこがねっとレポートで、小金井・生活者ネットワークは、現職市長の続投を選択したとお伝えしました。その理由について、少し詳しくお伝えいたします。
◆4年前の市長選は
前回4年前の市長選は、小金井ネットは白井亨さんを応援しました。市議会からはネットが林倫子さんと田頭の2人、市民自治小金井の片山薫さん、共産党の森戸洋子、水上洋、板倉真也、関根優司さんの7人が、超党派で応援体制を組みました。
残念ながら白井さんの得票数は、西岡真一郎さんに2,804票及ばず。しかし同じく市民派議員と呼ばれる渡辺大三、斎藤康夫氏二人の市議が応援した岩淵美智子さんの得票数5,786票と合わせれば、西岡票を優に超えていました。
このことから、今回の選挙はこのふたつの元陣営の議員がどう考え動くのかが、ポイントになるとみてきました。
◆第3の候補者の擁立に向けて
今回の市長選挙では、現職の西岡市長と、元市議会議員の河野律子さんが早々に出馬を表明。白井亨さんは今回の出馬はないと発言される中、共産党の森戸さんから市長選について市民と共に話し合おうと、田頭、渡辺大三さん、白井亨さん、片山薫さん、坂井えつこさんに声がかかりました。西岡市長に不満や不信を持つ市民と共に、第3の候補者の擁立について話し合いが6回ほど行われました。
市民派の市長の擁立を目指したものですが、出すからには勝たなくてはなりません。
そうでなければリベラル層の票が割れます。その結果再び保守政権に戻ってしまうことを、小金井ネットはもっとも危惧しました。
西岡さんは明確なリーダーシップを示す場面が少ないとはいえ、一般的に市民の2期目への期待感は高いものと思われます。また、元部長、元市議という経歴の河野さんの強力な後ろ盾は元市長の稲葉さんであり、駅頭などでの宣伝活動の多さからも、尋常ではない力の入れようが窺われます。
◆「白井陣営+岩淵陣営=勝てる候補者」の構図は?
この様な中では勝てる候補者がいなければ、第3の候補者擁立は市政を保守体制へ逆戻りさせるので、それは最も避けるべきとネットはこの会でも発言してきました。
白井さん、坂井さんが同様の理由で会から離脱され「白井陣営+岩淵陣営=勝てる候補者」の構図は破たんしたと、明らかになっていました。
この会の中では複数の市民から、新しい市長に期待する子育てや福祉、防災など様々な観点の政策があがりましたが、共通するのは3.4.1と3.4.11号線の2つの都市計画道路への反対でした。
ネットは第3の候補者を出して河野陣営を有利にするよりも、西岡市長にこの都市計画道路は無理に進めない約束を取ることも、方法ではないかとも意見を述べました。
それでも話し合いの中では西岡さんへの反感・不信が強い市民の声が強く、この道路問題に真剣に取り組む住民の方々からは、36年も町会長を続けておられる長老を候補者にと推薦があり、ご本人から市政へのご意見や政策を伺う会もありました。また、共産党の森戸洋子さんは、議員も含め「皆が支持するならば出馬を持ち帰る」と発言されました。
8期も市議を務められ、議長経験もある実力者が立つとなれば、「勝てる」状況かどうかはしっかり見定めなければなりません。一般的にいえば、共産党への批判も根強く聞こえる中、西岡さんと森戸さんでの票の取り合いは、河野陣営を喜ばすだけだからです。
◆東京都への要望書
そのためにも私は市長に対し、東京都へ道路問題を無理に進めないようにと、要望書の提出を迫ろうと考えました。何故なら9月議会中に西岡市長は、これまでにない強い表現で、「地元の首長が望まない道路の事業化は許されない」とまで発言しておられたからです。これが出来れば事実上の凍結状態となり、これまで陳情など繰り返してきた市民運動の成果とも考えられます。逆に、発言したことも公文書で都に提出出来ないなら、西岡市長では今後もこの道路問題はダメだと決定的になります。市長の返事が出るまで、森戸さんへのネットの支持は「持ち帰る」事になりました。
これは結果次第では、森戸さんも無理に出馬しなくても済む可能性もあると考えました。事実、町会長を推薦した方々からは「東京都へ市長が公文書を出すのなら(不出馬も)考える。」と発言され、これは何としても実現させようと力を頂きました。
結果的に西岡市長は、自身の発言を基にした内容で、東京都知事への要望書を10月31日に提出。
市民から見れば「物足りない」内容でも、市長が自身の発言に責任をとり、東京都に対して重しを掛けた事は現職の首長として評価できます。また重しを有効に活かすためにも、西岡さんがこの先の4年間も市長でいる必要があると考えました。
道路問題だけでなく、この間は婦人相談員を正規職員での専門職採用を考えるなど、市民の強い要望を受け止める対応が見えていました。放射能測定器の更新も、稲葉市長時代にはどれだけ故障しても望めなかったことです。まだ市長としての課題は有りますが、市民と同じ場で同じ目線で話を聴き、少し時間がかかっても真摯に努力される姿勢は首長として重要だと、その点は期待したいと思います。
◆結果がどうあっても
西岡市長が再選されれば、今後の4年間は、都に対して都市計画道路の事業化が進まない様に、更に市長の明確な行動を強く求めます。しかしネットの政治姿勢はあくまで中道、是々非々。市民にとって何が一番いいのかを最優先し、その時々で判断することは変わりません。
このような考えから森戸さんへの支持は、今回は出来ないとお伝えしました。これはネットにとっても辛い決断です。政策的にも共通する事が多々あり、これまでも市長選や都知事選、衆議院選、憲法を守るピースアクションなど、様々な場面でさすがだなと薫陶を受けてきました。
信念に基づき果敢に市長選に挑戦される森戸洋子さんには、敬意を表します。
選挙結果がどの様であっても、渡辺大三さんや片山薫さんも同じですが、市議会では協力できるところではこれまで同様に協力し、市民に役立つ市議会の実現のために、市政のチェック、政策提言や更なる議会改革を進めたいと考えます。