★安倍首相談話~戦争体験者の視点からは~
安倍首相の『戦後70年談話』に注目していたという大橋正平さん。先週末に子どもたちと訪れた、新潟県長岡市法末集落の長老さんだ。中国戦線やインパール作戦の体験者だ。
小正月の行事に合わせて小金井から子どもたちを募集し、雪国体験事業を始めてから8年になる。長老の正平さんは、毎年自宅に子どもたちを呼び、嬉しそうに 「鳥追いの歌」を教えてくださったり、昔の暮らしの話など聞かせてくれていた。2,3年前から戦争体験も語って下さるようになった。
この夏の参加者は、殆どが高学年~中学生だったこともあり、正平さんの話をもっと聞きたい、取材された新聞記事を読んでみたい、という子どももいた。
一方で、集落の「お宝館」に保管されていた発行当時の「原爆写真集」が、「見たくなかった!怖くて眠れなかった!」という女子もいた。しかしその子がそう 言ってくれたから「そうだね。でもこの写真にあることは本当にあったこと。目の前で見ていたら、もっと怖かっただろうね。」という会話もできた。
長老さんは「戦争は残酷。反省は大事だ。」と言われる。中国では住民の家畜を殺し、食用にしたそうだ。「ひどいことをしてきた」と、優しい笑顔の長老さんから語られた子ども達は、心の深い部分で長老さんのまだ痛む傷を感じたことだろう。
安倍首相の談話では、「お詫び・反省」は過去の日本が行った事として語られ、彼自身の言葉では無かった。それどころか「日露戦争の勝利が、アジア・アフリカの人々に勇気を与えた」と、武力行使を肯定した。
さらには「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」とまで言い切った。
正平さんはどんなにがっかりされたことだろう。
私たちは、断じてこれを許すわけにいかない。