★玉川上水の緑と桜~ケヤキ伐採現場に立ち会って
12/12、玉川上水のヤマサクラ補植の状況と、ケヤキなど「雑木」として伐採される樹木について 、市民団体「小金井玉川上水の自然を守る会・こだま」として現地で立ち会ってきた。
本当ならば立ち会ってから伐採する約束だったのに、「すでに伐採が始まっている!」とのメールが前の日にこだまのMLに流れた。直ぐに生涯学習課に連絡をして、市から東京都教育委員会、水道局とで調整し、急遽現地での立ち合い&話し合いが設定された。ようやくこの間に、市民団体と市との間で信頼関係が芽生え始めた矢先であり、それを壊しかねない事態だった。
水道局の職員の異動で引継ぎが不十分であり、ちゃんと伝わっていなかったことが原因とわかった。東京都や水道局は、市民との関係を軽視しているのかと思わざるを得ない。生涯学習課の職員は、日ごろ市民と接するだけに危機感は持ち迅速に対応したが、都計道にしても、都の対応がまったくなっていない。ホントにこうした基礎的なミスはやめて欲しいし、きちんと謝るべきだ。
さて、残せるものは残して欲しいとこの間ずっと求め続けてきたのだが、補植した桜から5m以内の樹木はサクラの生育を阻害するからと、ケヤキはじめ大木はほとんど切られてしまった。殆どの樹木は、長年東京都が手を入れてこなかったため、鳥たちの落とし種などで自然に育ったものだと言う。
しかし今やこの上水に沿った緑道は、多摩の山間部と都心を繋ぐ緑の回廊となって、水辺と共に貴重な動植物の住処となっている。
更に鳥たちの渡の道となっていることも専門家によって指摘され、ラムサール条約登録の運動も起こされている。
この貴重な緑陰を生み出してくれていた生々しいケヤキの切り口には心が痛むが、マユミ、モミジ、ツツジなど低木は、今年も何本かは残せる方向で話し合う事が出来た。
小金井市区域は国の「名勝小金井サクラ」の指定区間。
なので、緑の連続性よりも桜の保全が優先される、として小金井市は「玉川上水・小金井桜整備活用実施計画」をH24年3月に策定。
以後毎年、ヤマサクラ並木復活のための補植と、桜の生育を阻害する雑木の伐採を進めてきた。
上水の南側、左岸の法面はケヤキなどの大木の根っこが生きるように切っている。
これは生かさず殺さずで、根っこに法面の保護させる為に残しておくと聞いた。
なんだかかわいそうな気もするが、法面が崩れては大問題。新たな役割という事だろうか。。
その為にも、萌芽更新される小さな芽を、定期的に伐採しなくてはならない。
予算と手間がかかる事だが、これは東京都の予算で行う事業。今後もしっかりとチェックが必要だ。
光が入る事で、勢いのある外来種の蔓草も蔓延するだろう。
希少種の野草なども確認されている。
木を一本切れば、そこに住む鳥や虫たち、草花も変化し、環境全体が変わると言われている。
生物多様性の観点からもなるべく伐採は最小限にしてほしいなぁ。本来、山に咲くサクラは多様な樹木の間に咲いているのだから、そんなヤマサクラ並木になったら小金井らしいのではないかなぁ。
桜と他の樹木は共生できないとの説もある。この日も桜を守る会からも市民が参加し、この場所は史跡・名勝に指定されているのだから桜だけの並木にすることが必要なのだと、強調される。
色々な考え方があるが、こうして多様な市民と行政と、直接顔を合わせて話が出来る機会は大事。また学習会など企画しながら、同じテーブルで話が出来ればと思う。